英語の歴史〜5〜
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(1)
 中英語期におけるフランス語からの大量借入は英語の語彙・表現を豊かにした。本来語のchild, help, hide, wedding, smell, mightに対するフランス語からの借入語は、infant, aid, conceal, marriage, perfume, である。
  

(2)
 初期近代英語期に大量のラテン語を移入した。中英語期にフランス語から借入した一部の語において、古典ラテン語に合わせて黙字が挿入された。たとえば、receipt, debt, などがそうである。これを語源的つづり字(etymological spelling)という。
  

(3)
 『ピグマリオン』を書いたバーナード・ショーを始め、英語のつづり字改革が提唱されているが成功していない。その理由の一つとして、air/heir, break/brake, hear/, made/maid, son/sunなど、多数のつづり字の異なる同音異義語の区別が書き言葉でもつけられなくなる。
  

(4)
 15世紀ころから約300年にわたって、英語の母音の発音に、と呼ばれる大きな変化が起こった。これにより、強勢のある長母音は、規則的に、舌の位置が従来より1段ずつ高い位置へずれて発音されるようになった。
  

(5)
 現代英語の長母音のつづりが中英語期の発音を反映しているのは、世紀末に印刷術が導入されたことにより、強勢長母音の発音変化が完了する前に英語のつづり字が固定化したためである。
  

(6)
 長母音の後に接辞がつくと、語幹の長母音が短母音化する傾向がある。このため、wise/, wide/width, five/fifth, sheep/shepherd, keep/keptなどの右側の語では、大母音推移による発音変化を受けなかった。
  

(7)
 中英語から初期近代英語において、2人称代名詞はthouが単数の親称、が単数の敬称および複数として使い分けられていた。2人称複数形を単数の敬称として用いる用法を「尊敬の複数」という。
  

(8)
 現代標準英語ではhour, honest, honor, heirなどの語で喉頭摩擦音の[h]を発音しない。[h]を発音しない英語方言として、いわゆる方言がある。映画『マイ・フェア・レディ』の中では、音声学者がこの地方出身の女性をレディに仕立て上げるために、発音矯正を行った。
  

(9)
 助動詞のcan, may, mustなどは古英語では「知っている」「力がある」「してよい」という意味の本動詞であった。動詞などの一般語彙であったものが、助動詞のような文法的機能を表す要素に変化する現象をという。
  

(10)
 doは本来使役動詞であったが、意味が希薄化し、16世紀ごろから疑問文、否定文を作るときの助動詞として徐々に用いられるようになった。doの使用増加は、16世紀中ごろから、他動詞構文で語順が優勢になったことと関係している。