北海道教育大学函館校の発達臨床心理学を専門とする研究室です。

　「外国語の指導と特別な支援が必要な子どもたちに対応できる小学校教員を養成する」ことを目的とした地域教育専攻に所属し，主に心理学関連の授業を担当しています。

【主な担当科目と概要】
（１）幼児心理学
　乳幼児期の発達臨床心理学（全般的な発達過程の理解と発達促進的な援助方法），乳幼児理解の方法（様々な保育記録の方法），乳幼児の発達と環境の構成，幼稚園教育要領，を中心に学習します。教員免許（幼稚園）取得のための必修科目です。

（２）学校臨床心理学
　前半は「円滑な幼小接続」という課題に対するソーシャルスキル教育からのアプローチ，後半は「いじめ」という課題に対する援助要請（相談しない心理）からのアプローチについて学習します。大学での体験的な学習に加えて，地域の学校で実際にソーシャルスキル教育などを行う機会もあります。

（３）教育相談の理論と方法（初等）
　教育相談の内容を体系的に学習します。特に児童期から思春期の子どもとの関係づくり（子どもや保護者との教育相談）や思春期に多く見られ始める問題状況（精神障害，リストカットなど）の理解と支援の基本について，講義，学生同士の話し合い，架空事例演習，ロールプレイを通して学習します。教員免許（初等）取得のための必修科目です。

大学院の担当科目

主として社会人（現職教員など）が対象の大学院学校臨床心理専攻で，臨床心理学関連の授業を担当しています。

【主な担当科目と概要】
（１）臨床心理基礎実習
　集団カウンセリングと個別カウンセリングの技法を中心に，実践の場の見学や補助としての参加，ロールプレイなどを通して体験学習し，各技術と臨床に臨む基本的態度の獲得とともに，自己理解を深めます。この科目は全キャンパスで開設されていますが，研究室の教員が担当する科目は修学先を函館校にした学生のみ対象としています。

（２）学校臨床心理特論
　学校・教育領域の援助要請の研究と実践から，「ニーズがあっても自ら相談しない事例のアセスメントと援助」，「援助者としての自分が助けられることに関する自己理解」を学びます。複数教員によるオムニバス形式の授業で，全15回のうち3回程度を担当します。TV会議システムを用いた双方向遠隔授業による全キャンパスの学生が対象の必修科目です。

（３）発達臨床心理学特別演習
　子どもを対象とした認知行動療法に関する文献を読み，学生が分担して要約・発表し，討論を通して理解を深めます。修学先を函館校にした学生のみ対象としています。