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カキツバタが満開でした─静狩湿原の夏の始まりです(2011年6月24日)

 初夏から夏に移り変わりつつある道南です。今年度は,昨年度興味深い調査結果が出た海岸湿地(塩湿地)を,卒業研究のメインの調査対象とすることにしました。その比較調査地(コントロール)の1つとして,多少内陸部に位置する高層湿原の静狩湿原を訪れました。前回この地に来たのは2003年7月12日でした。すでに8年の歳月が流れてしまいました。その間ほとんど湿原自体の変化はありませんが,今回は2週間以上も早かったこともあり,前回花を見ることが出来なかったカキツバタ(アヤメ科)を,時季的には最高のタイミングで初めて写真に納めることが出来ました。また,ゼンテイカ(ワスレグサ科)とイソツツジ(ツツジ科)も満開でした。更に,ワタスゲ(カヤツリグサ科)が,その名前の由来の綿毛を風になびかせていました。ヒツジグサ(スイレン科),トキソウ(ラン科),アギスミレ(スミレ科)も咲き始め,夏の始まりを感じさせます。
 湿原と言えば難敵はカヤツリグサ科の植物です。今回は数種観察しましたが,まだ正確に同定していませんので,ワタスゲ以外は後日紹介しましょう。更に,モウセンゴケ(モウセンゴケ科,「カキツバタの花の拡大」及び「トキソウ」の写真にも赤い葉が写っています)など,これから花咲く湿原特有の多くの植物が池沼内外に満ちあふれていました。一方,ヒメシャクナゲ(ツツジ科)やミツガシワ(ミツガシワ科)は,残念ながら既に実の状態でした。
 次は一ヶ月後です。再度,感動的な植物たちとの出会いがあるでしょう。(長谷 昭)


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静狩湿原の看板
かつては天然記念物でした
カキツバタの小群落
池沼脇に生育しています
カキツバタのトリオ
開花直前の蕾が風情を添えます
カキツバタの花の拡大
学生撮影のものを拝借しました
ゼンテイカ(エゾカンゾウ)
道南随所,一番の花盛りです
イソツツジ
低地では湿地に生育します
ワタスゲ
高層湿原の代表種の1つです
ヒツジグサ
花径は5cmくらいです
トキソウ
小群落と花の拡大です
アギスミレ
ツボスミレの湿原型です
ヒメシャクナゲ(実)
来年は花を見たいです
ミツガシワ(実)
白い花が咲きます


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