オオバナノエンレイソウは北海道を代表するユリ科の植物であり、ハンノキやハルニレなどの落葉広葉樹林の湿った林床に、しばしば大群落をつくります。しかし、それらの自然林が開発されることにより、急速に姿を消している植物でもあります。函館周辺にもあちこちに小規模な群落はありますが、道央・道東に見られるような大規模群落は一般には知られていませんでした。
ところが、上磯町の戸切地川中流域の杉林の中に、信じられない規模の群落があることが分かりました。この地域は、かつてはハンノキやヤチダモなどの自然林であったのですが、杉の植林にも負けずに群落が復活し、毎年立派な花を付けているのです。
尚この植物は、染色体数が少なく(2n=10)かつ大きくて観察しやすいので、細胞分裂や減数分裂の観察には最高の材料です。 (長谷 昭)
こんな杉林に...。 | こんな大群落が! | 撮影中の長谷教授 |
オオバナノエンレイソウ | オオバナノエンレイソウの花 | 上磯ダム付近では タチツボスミレが咲いていました。 |
ヒトリシズカも独り静かに咲いていました。 | 沢の近くにはサワアザミが。 | 可憐なシラネアオイ。 |