今日は久しぶりに晴空の土曜日ですので、研究室を離れてとある湿原に行って来ました。道南には大規模な湿原はありませんが、ここはかつては100ha以上の規模を誇る道南有数の湿原でした。今は周囲の開拓のために縮小し、近隣の牧場とあまり変わらない面積になってしまいました。しかし、短い北国の夏を謳歌するように、湿原特有の多くの花々がこれから最盛期になろうとしています。
今満開なのはトキソウ(ラン科)であり、このまま湿原が縮小すると、朱鷺のように絶滅が心配されます。周りにある赤い葉はモウセンゴケです。こちらはまだ開花期ではありません。同じくラン科のコバノトンボソウも、あまり目立つ花ではありませんが、湿原に特有のものであり満開直前でした。春の花の代表のはずのスミレですが、アギスミレ(スミレ科)は今が盛りでした。池沼では、花径が5cmほどしかない小さな睡蓮のエゾヒツジグサ(スイレン科)が満開でした。
海岸湿地では、同じく湿った土地を好むノハナショウブ(アヤメ科)が、満開になろうとしています。道内ではどこにでもある花ですが、大きな群落は見応えがあります。 (長谷 昭)
トキソウとモウセンゴケ | トキソウの花 | コバノトンボソウ |
アギスミレ | エゾヒツジグサ | エゾヒツジグサの花。 5cmほどしかありません。 |
ノハナショウブの群落 | 夏の緑に紫が映えます。 | 花はこんな形です。 |