- 季節のトピックス -
湿原も真夏に向けて華やいできました
(2003年7月12日)

 今日は久しぶりに晴空の土曜日ですので、研究室を離れてとある湿原に行って来ました。道南には大規模な湿原はありませんが、ここはかつては100ha以上の規模を誇る道南有数の湿原でした。今は周囲の開拓のために縮小し、近隣の牧場とあまり変わらない面積になってしまいました。しかし、短い北国の夏を謳歌するように、湿原特有の多くの花々がこれから最盛期になろうとしています。
 今満開なのはトキソウ(ラン科)であり、このまま湿原が縮小すると、朱鷺のように絶滅が心配されます。周りにある赤い葉はモウセンゴケです。こちらはまだ開花期ではありません。同じくラン科のコバノトンボソウも、あまり目立つ花ではありませんが、湿原に特有のものであり満開直前でした。春の花の代表のはずのスミレですが、アギスミレ(スミレ科)は今が盛りでした。池沼では、花径が5cmほどしかない小さな睡蓮のエゾヒツジグサ(スイレン科)が満開でした。 
 海岸湿地では、同じく湿った土地を好むノハナショウブ(アヤメ科)が、満開になろうとしています。道内ではどこにでもある花ですが、大きな群落は見応えがあります。  (長谷 昭)


トキソウとモウセンゴケ トキソウの花 コバノトンボソウ
アギスミレ エゾヒツジグサ エゾヒツジグサの花。
5cmほどしかありません。
ノハナショウブの群落  夏の緑に紫が映えます。  花はこんな形です。


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