- 季節のトピックス -
「夏草や学生どもが夢の跡」−旧木古内臨海実験所の夏
(2003年7月13日)

 最盛期には、釧路校を除く4分校合わせて100名以上の学生が臨海実習を行い、また、併設していた研修所を併せると、かつての函館校(函館分校)のほとんどの学生が利用した経験を持つ木古内臨海実験所は、昨年9月30日に閉鎖されて一年目の夏を迎えました。いつもならば今が一番利用者で賑わう季節です。まだ取り壊されずに残っていますが、老朽化は更に進みました。看板のみが過ぎ去った日々を物語っています。
 生物を好きになるのも嫌いになるのもこれ次第と言われ(嫌いになる方が多かったようですが)、また恋も生まれた(あるいは失恋も)理科一年次学生の最大イベント=臨海実習の場でした。この地はもともとは海岸湿地でしたので、今は湿地特有の数々の草花に被われています。
 まずは前回も紹介したノハナショウブ(アヤメ科)。夏の湿地を代表するウツボグサ(シソ科)は更に増えました。野生の白バラのノイバラ(バラ科)が、甘い香りを漂わせていました。中庭に多かったフランスギク(白い方、キク科)も今が満開です。ブタナ(黄色の花、キク科)と競い合っていましたが、負けそうです。玄関横では、どこから種子が飛んできたのか、ヒメナデシコ(ナデシコ科・園芸植物)が誰にも見られずに咲いていました。
 裏に回ると、いつの間にかミネアザミ(キク科)が増えていました。花はまだまだですが、旧研修所をバックに逞しく生育しています。藤山さんが喜びそうですが、残念ながらテントウムシはいませんでした。  (長谷 昭)


旧木古内臨海実験所全景 横たわる旧実験所の看板 ノハナショウブ
(バックは旧実験所東棟)
ウツボグサ ノイバラ  ノイバラの花
フランスギク(白)とブタナ(黄) ヒメナデシコ ミネアザミ
(バックは旧研修所)


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