- 季節のトピックス -
「実験所には月見草が似合う(?)」−旧木古内臨海実験所の夏、Part 2
(2003年7月27日)

 7月も終わりだと言うのに、肌寒い日が続いています。冷害が心配されますが、野山の植物はどうでしょうか?
 今日は久しぶりに晴れ間が覗いたので、再度旧木古内臨海実験所に行って来ました。取り壊される前に、移りゆく旧実験所敷地の植物を、出来るだけ記録に残したかったのです。冷夏とはいえ、開花植物は2週間前から変わっていました。裏の盛り土の上にはオオマツヨイグサ(アカバナ科)が咲いていました。月見草と言えば本州では普通この花のことをさしますが、北海道では意外に少なく、どうも道南に限定されるようです。普通に見られるのはメマツヨイグサですが、比較してみてください。道路際では、野生化したニンジンと言われているノラニンジン(セリ科)が、満開になりつつあります。近くの浜では、ダイコンが野生化したとも言われている(異説もあります)ハマダイコン(アブラナ科)が花盛りでした。そばではハマニガナ(キク科)がひっそりと咲いていました。
 前回も触れましたように、旧実験所の敷地はもともとは海岸湿地でしたので、湿地特有の植物がどんどん増えています。イ(イグサ科)も大きな群落を取り戻しつつあり、更に何と、湿地性のラン科植物のカキランが二株生育していました。しかし、以前に沢山あった、同じラン科のネジバナは消えてしまいました。確実にもとの自然に帰りつつあります。  (長谷 昭)


オオマツヨイグサ(バックは旧実験所) オオマツヨイグサの花 メマツヨイグサの花
ノラニンジン(バックは旧実験所) ノラニンジンの花 ハマダイコン
ハマニガナ    カキラン。湿地性です。


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