一月遅れの盆も終わり秋風が吹き始めるかと思いきや、遅ればせながらと夏が「自己主張」しているここ数日でした。蒸し暑さの中で涼を求めて郊外に出てみたら、オミナエシ(オミナエシ科)が道端で満開になろうとしていました。野の花は確実に秋に向かって移り変わっています。
オミナエシは漢字で「女郎花」と書くように、何となく妖艶な印象を与える「秋の七草」の一つですが、道内では意外に少なく白花のオトコエシがほとんどです。稀に黄花を見付けても、同じ科のマルバキンレイカ(前々回紹介しました)であることが多く、多少がっかりします。しかも旧盆の盆花として広く栽培されているので、栽培されたものの逸出である可能性もありますが、同じ場所にはキク科のオグルマやその他の在来種も咲いていましたので、おそらくは自生のものでありましょう。
更に何気なく近くの自然公園に寄ってみましたら、これも比較的稀なヤマジノホトトギス(ユリ科)が満開でした。ホトトギスは北海道にはありませんが、こちらは北日本に広く分布しています。しかし、北海道では道央以南に限定されているようですので、しばしそのユニークな花を楽しんで下さい。 (長谷 昭)
妖艶な印象のオミナエシ。 | オミナエシの花序。 | 花はこんな形です。 |
オグルマ | ヤマジノホトトギス | 温帯の植物らしからぬ(?) ヤマジノホトトギスの花。 |