着生シダのシノブ(シノブ科)は、シノブ玉として鑑賞され、また、古来から歌にも詠まれた有名なシダ植物ですが、北海道での生育は道南における古い記録のみでした。このシノブが、信州大学理学部佐藤利幸教授によって、道道函館戸井線沿いで77年ぶりに再発見されました。またシノブは、シダ植物の中でも黄葉が綺麗なシダとしても知られていますが、9月も終わり近くになり色付き始めました。
更に佐藤教授による再発見後、私自身も別の木に着生しているシノブを発見しました。こちらはまだ黄葉を開始していません。しかし、程なくすべて黄変しやがて枯れるでしょう。この木には、別の着生シダのホテイシダ(ウラボシ科)も生育していましたが、こちらはさほど珍しいものではありません。
林縁では、お馴染みのゼンマイ(ゼンマイ科)とワラビ(コバノイシカグマ科)が、最後の季節を迎えていました。来春が楽しみの山菜の両雄です。樹上のシノブを仰ぎ見て、友情出演です。 (長谷 昭)
佐藤教授発見のシノブ。 | シノブの拡大。 左側は黄葉しています。 |
別の木のシノブ。 |
同じ木に着生するホテイシダ。 | ゼンマイ | ワラビ |