- 季節のトピックス -
台風一過、キャンパスの秋−その1
(2004年9月11日)

 かの洞爺丸台風(1954年)以来と言われる強風・塩害被害を残して、台風18号が過ぎ去りました。今日は、移動性高気圧に被われて、透き通るような秋晴れです。台風の爪痕を記録しに、キャンパス内をうろつき回りました。
 池の横のナナカマドは根こそぎ倒されていました。桜やシラカバなどの広葉樹は葉が塩害で褐変し、大枝が折れているものも沢山ありました。駐車場北側の大きなプラタナスも大枝が折れ、隣のアカマツを直撃しました。その近くの、春に花を紹介したウメも真っ二つです。農場北側の本校唯一の林を構成しているニセアカシアも、沢山の枝が折れていましたが、倒木はありませんでした。
 一方、この台風にもかかわらず元気だったのは針葉樹です。トドマツ、イチイはびくともしません。本校のシンボルツリーのメタセコイアも一部の枝が折れたものの逞しく塩害に耐えていました。他の針葉樹(ニオイヒバ、カイヅカイブキなど)もほとんど無傷でした。
 広葉樹でも、ブナはてっぺん近くの葉は褐変していても、大部分は大丈夫でした。キャンパスの南側の民家の敷地から張り出しているクリも、実は一部落ち南西側の葉が多少褐変しているものの、すこぶる元気です。キャンパス内にはありませんが、同じブナ科のカシワやミズナラも塩害に強いので、これはこの科に共通する性質でしょうか?
 倒木や折れた大枝による被害が伝えられる中、多くの建物が樹木により被害から免れた話しは報道されません。樹木の防災効果は阪神・淡路大震災でも証明されています。しかし、樹木も生き物ですので、老齢化は免れません。適切な維持管理が必要なのは言うまでもありませんが、管理=伐採という短絡的思考がまだまだ根強く残っているのが、悲しい現実でしょう。地球温暖化を救い、人類を救えるのは、現状では植物(特に樹木)でしかないことを、私たちは忘れてはなりません。 (長谷 昭)


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根こそぎ倒れたナナカマド。 折れたプラタナスの大枝とアカマツ。 真っ二つのウメ。
傷だらけのニセアカシア林。 トドマツ イチイ
メタセコイア(下は藤棚) ブナ
上部が褐変しています。
クリ
実りの秋の象徴です。


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