- 季節のトピックス -
台風一過、キャンパスの秋−その2
(2004年9月11日)

 その1では、樹木を紹介しました。キャンパス内のゴミ置き場の屋根がすべて吹っ飛んだ強風にもかかわらず、草本植物はその多くが「台風何する者ぞ」という感じでしたが、さすがに高茎草本には甚大な塩害が出ました。
 その中でももろに影響が出たのが、私のメインの研究材料であるキクイモ(キク科)です。今、地下の塊茎の成長が一番盛んな時期ですが、かなりなダメージです。8月末から開花しているイヌキクイモ(キク科)も同様のダメージを受けましたが、かろうじて花だけは咲かしています。藤山さんの研究材料のアザミも大きな被害を受けました。折角移植したミネアザミ(キク科)も無惨に褐変しています。しかし、オオヨモギ(キク科)はさすがに在来種の意地を見せ、ほとんど影響はありません。また、エゾノコンギク(キク科)もオオヨモギに守られたためか、無傷にその紫の花を咲かせていました。
 一方、キクイモに守られたのでしょうか、畑のコスモス(キク科)が無事咲いていました。花の蜜を求めて蝶が集まっていました。藤山さんの研究材料の一つでもあるヤマホロシ(ナス科)も、塩害に負けずに赤い実を付けていました。エノコログサ(イネ科)も頑張っていましたが、塩害を受けているようです。しかし、近縁のキンエノコロ(イネ科)はその黄金色の刺毛を光らせて無事でした。秋のキャンパスを彩るイヌタデ(タデ科)ですが、一部が褐変しているものの、大部分はほとんど影響がありません。
 心配なキクイモですが、10年ほど前にも風台風の直撃で同様に深刻なダメージを受けましたが、程なく無事回復しました。あやかりたい程の生命力を持つ植物ですので、多少花期が遅れても持ち直すでしょう。しかし、アザミの方はどうなることでしょうか? (長谷 昭)


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屋根が吹っ飛んだゴミ置き場。 無惨に枯れたキクイモ。 イヌキクイモ
ミネアザミ
今後が心配です。
逞しいオオヨモギ。 エゾノコンギク
コスモスと蝶。 赤い実を付けるヤマホロシ。 エノコログサ
キンエノコロ 色鮮やかなイヌタデ。  


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