- 季節のトピックス -
2006年度総集編 No. 3

 2006年度は亀田半島側にいくつかの調査ポイントを定め,定期的に植物調査をしました。その一つが恵山道立自然公園の一部である川汲公園です。まだ本格的調査ではありませんが,目立った植物あるいは今まで取り上げなかった植物を紹介しましょう。
 春に目立ったのは紫色のキクザキイチゲ(キンポウゲ科)です。この植物は白花が多いのですが,薄紫花も結構見られます。しかし,川汲公園には,濃い紫花が多数生育していました。土壌成分によるのでしょうか?
 春もさらに深まると様々な花々が競演し始めますが,すでに紹介した植物が多いので省略しましょう。5月も下旬になるとまた違った植物たちが開花します。タチカメバソウ(ムラサキ科),ナツトウダイ(トウダイグサ科),そしてニシキゴロモ(シソ科)が比較的目立っていました。また,春のリンドウであるフデリンドウ(リンドウ科)もひっそりと咲いていました。
 初夏には,カヤツリグサ科の植物が目立ち始めますが,その一つがエナシヒゴクサです。この科の植物の同定は難しいので,良く分からないものも多くあります。これからさらに勉強せねばという思いです。そのほかには,地味ですがオオヤマフスマ(ナデシコ科)も咲いていましたが,全体的には草本開花植物は端境期です。
 夏が過ぎようとする季節,この公園を一番特徴づけるヤマジノホトトギス(ユリ科)が咲き始めます。花期は短いので,見逃してしまうことも多い植物です。しかし,これほどまとまって咲いている場所は,おそらくはそう滅多にはないでしょう(少なくとも北海道では)。
 9月に入るとタデ科植物が目立ち始めますが,河原ではツリフネソウ科の二種(ツリフネソウとキツリフネ:写真は省略)が咲き誇っています。お馴染みのネジバナ(ラン科)もあちこちに生育しており,ミヤマママコナ(ゴマノハグサ科)の群落もありました。ツルリンドウ(リンドウ科)が秋を感じさせます。長い冬を前にして,最後の花の季節がやってきました。(長谷 昭)


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キクザキイチゲ(4月22日撮影)
別の植物みたいです
タチカメバソウ(5月20日撮影) ナツトウダイ(5月20日撮影)
ニシキゴロモ(5月20日撮影) フデリンドウ(5月20日撮影,ピンボケです) エナシヒゴクサ(6月25日撮影)
オオヤマフスマ(6月25日撮影) ヤマジノホトトギス(8月17日撮影) ヤマジノホトトギス(花の拡大)
ネジバナ(9月2日撮影) ミヤマママコナ(9月2日撮影) ツルリンドウ(9月2日撮影)


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