道道蛾眉野-原木線は,道有林を抜ける山越えの険しい林道です。この林道沿いに咲く植物は,「季節のトピックス」でも繰り返し紹介してきましたが,2006年度も大事な調査対象です。特に,峠を越えた原木側に比較的多様な植物が生育していますので,その一部をここでは二回に分けて紹介しましょう。
道南はアズマイチゲ(キンポウゲ科)の群落は少ないのですが,ここには比較的まとまって生えている場所があります。その中に混じって八重咲きのキクザキイチゲ(キンポウゲ科)が一輪だけ咲いていました。この年だけのものでしょうか?少し奥にはいるとエゾキケマン(ケシ科)の小群落がありました。数は多くはありませんが,ヒメイチゲ(キンポウゲ科)も道端に咲いていました。
少し季節が進むと,オオバナノエンレイソウとクルマバツクバネソウ(いずれもユリ科,エンレイソウ科とする研究者もいる)が咲き始め,タネツケバナとオオバタネツケバナ(ともにアブラナ科)が近接して咲いていました。
さらに初夏になると,ヤマツツジ(ツツジ科)がみごとです。その後,カンボクやキンギンボク(いずれもスイカズラ科)も咲き始め,木陰には,道南では稀な,サワフタギ(ハイノキ科)と思われる低木もありました。季節は,夏に向けてまっしぐらです。
(長谷 昭)