- 季節のトピックス -
函館山と亀田山地に初夏を見ました─その2(2007年6月9日,14日)

 亀田川上流域調査の一週間あまり後,二回目の函館山調査に出かけました。ルートは前回の逆とし,まずは,ツツジ山駐車場から旧登山道を途中まで降りながらの植物観察です。入り口では,オオバナノミミナグサ(ナデシコ科)が出迎えてくれました。この植物は,海岸近くに生育する代表的な植物であり,函館山の麓から山頂まで随所に見られました。そして,ヤマツツジ(ツツジ科)と咲き始めたタニウツギ(スイカズラ科)が彩りを添えますが,この二つは亀田山地側にも沢山あります。次いで木の花の白い蕾が随分目立ちましたが,14日に確認したところワタゲカマツカ(バラ科)でした。これも,初夏の函館山を代表する植物でしょう。更に木本では,キンギンボク(スイカズラ科)とミズキ(ミズキ科)が開花期であり,海岸らしくカシワ(ブナ科)も花を付けていました。
 さて,北海道では比較的珍しい蔓性木本植物のサルトリイバラ(ユリ科)が,函館山ではごく普通に見られました。ここでは千畳敷近くで撮った雌株と入江山で撮った雄株を紹介しましょう。勿論,写真に納めたのは今回が初めてです。
 草本植物に戻りますと,クルマバソウがすでに花期を終え,よく似た同じアカネ科のオククルマムグラが咲いていました。そして,千畳敷ではノビネチドリはもう終わり,代わりにハクサンチドリ(ラン科)がツタウルシの中に咲いていました。ウルシを気にしながら急いで撮ったので,てっきりノビネチドリと思い込んでいましたが,そのノビネチドリの巨大な株がツツジ山近くで開花していました。あまりにも巨大なので,重複しますがここでも取り上げましょう。 
 亀田山地側と共通する植物は沢山ありましたが,全く違う植物が,しかも多数個体生育しているところに,函館山の大きな魅力と独自性があります。しかし,ツタウルシの多さもまたこの山の特徴ですので,かぶれやすい人は近づかない方が良いかもしれません。尚,植物名の間違いに気付かれた方は,掲示板でご指摘下さい。(長谷 昭)


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オオバナノミミナグサ

ヤマツツジ

タニウツギ
ワタゲカマツカ(6月14日撮影) キンギンボク(6月14日撮影) ミズキ(6月14日撮影)
カシワ サルトリイバラ(雌株) サルトリイバラ(雄株)

オククルマムグラ

ハクサンチドリ(周りはツタウルシです)

ノビネチドリ(巨大です)


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