- 季節のトピックス -
キク科植物が最後の花の季節を飾っています
春にスミレ類の特集的紹介をしましたが,多忙さに紛れてその後の更新を怠ってしまいました。季節はどんどん過ぎ,今年の花の季節は,多数のキク科植物の競演で終わりを告げつつあります。そこで今回は,秋を代表するキク科植物特集とします。ほとんどが9月下旬に撮影したものですが,一部はまだ咲いています。しかし,これで今年の「季節のトピックス」は終わりにする予定ではありません。今年度は,2,3年生とともにのべ33日もフィールドに出ましたので,膨大な数の花の写真があります。その中には,初めて撮ったものも多数ありますので,それらを中心に改めて編集し,道南に特徴的な季節折々の花々を紹介しましょう(すぐにとはならないかもしれませんが)。
さて,キク科植物は全世界で2万3千種,日本には370種あまりが分布するとされている,全被子植物中最大の植物群です。特に秋には一番目立ちます。まずは,黄花系の代表とも言えるアキノキリンソウです。変異が大きい植物ですので,図鑑に載っているような典型的なものはなかなか見られませんが,その中でももっともそれらしい写真を載せました。そして,その海岸型の亜種のオオアキノキリンソウです。これは北海道では道南にしか見られませんが,アキノキリンソウとのハイブリッドと思われるものが,広く分布しているような気がします。海岸には,アキノノゲシも咲いていましたが,奇妙に長い葉が特徴的でした。
今年初めて撮影したのはヤクシソウです。あまり広くは分布していないようですが,あるところにはまとまって生育していました。そして,同じ林道沿いに,メナモミとコメナモミが隣接して咲いていました。コメナモミも初めて撮影したものです。
次に紹介するのは分かりづらいグループの代表です。微妙に違うのがお分かりでしょうか?最初はヤブタバコです。頭花が一番小型でほぼ無柄で葉腋毎に多数付きます。そして,ミヤマヤブタバコとノッポロガンクビソウ,いずれも山野の道沿いなどにごく普通に見られますが,すべて同じと思って見過ごしてしまいます。
最後に,紫系のアザミ類でまとめましょう。オオノアザミは市街地にも咲いていますが,サワアザミは山野のやや湿ったところに生育する大型のアザミです。そして,比較的珍しいオヤマボクチの写真も,今年は撮れました(学生が撮したものです)。この3者はいずれも,北海道では道南にしか分布していない植物です。
写真は省略しましたが,市街地ではキクイモが真っ盛り,そして,海岸ではコハマギクが今年最後のお花畑を作っています。これらが全て花を終える時,季節は冬に向けてまっしぐらです。(長谷 昭)
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